大阪では結婚指輪の購入で自分たちで手作りする結婚指輪の人気が高まっています。
手作り結婚指輪とはプラチナやゴールドの指輪を自分たちの手作りで作るというもので、フルオーダーのように一品物を作るようになるので世界で2人だけの結婚指輪になります。製作をお店に頼むのと違って本当に自分たちで作るというものです。
大阪でも手作りのお店や工房が増えてきましたが、結婚指輪に使用する素材もお店によっていろいろな素材が用意されています。貴金属以外の素材でチタンやステンレスなどの結婚指輪を作ることの出来るお店もありますが、今回は一般的にブライダルとして多く使用されるプラチナとゴールドについて、その素材の特徴などを解説します。
目次
プラチナの種類と特徴
結婚指輪や婚約指輪に昔から一番多く使用される素材です。一番大きな特徴としてはプラチナは酸化や腐食はしないという事です。永遠に変わらないということからブライダルに適した素材として古くから使用されてきました。酸化、腐食しないので金属アレルギーが出ることもほぼありません。
プラチナは粘り気のある金属で何かに当たってもすり減ったりしにくいのも長年身に着けるブライダル製品として重宝される理由の一つでもあります。
ただし、純プラチナは非常に柔らかく宝石を埋め込んだりした場合は爪が歪んで外れてしまったり、指輪の形が変形したりします。そのため、割金を少し混ぜてプラチナ合金としてジュエリー製品に使用されることが多いです。
ブライダルに使用されるプラチナ合金には以下のような種類があります。
プラチナ900
90%がプラチナで残りの10%が他の金属を混ぜた合金です。割金を加えることで硬さが増し、歪みにくい合金になります。10%の割金は主にパラジウムを使用しますが、ニッケルやコバルトなどを少量加えた合金も存在します。結婚指輪や婚約指輪に一番多く使用される素材です。ルテニウムを微量加えると更に硬さが増し、ハードプラチナ900という合金になります。
プラチナ950
95%がプラチナで残りの5%が他の金属を混ぜた合金です。プラチナ900よりもプラチナの含有量が多いため高品質とされています。プラチナは金属アレルギーを起こしにくい金属ですが、割金によって金属アレルギーが起こる可能性があるため、割金の量を減らして金属アレルギーを起こしにくくした金属です。
ですが、プラチナが多いため柔らかく歪みやすいのがデメリットでもあります。そのためルテニウムを微量加えてハードプラチナ950にした方が製品として強度もあり品質のよいプラチナ950合金になります。
プラチナ1000
理論的に100%プラチナというのはあり得ないので現在ではプラチナ999と表記されます。かつては「Pt1000」という表記をしていた時期もありましたが、今では「Pt1000」と表記されることは無くなりました。
冒頭で説明したようにプラチナは柔らかく、伸びやすく歪みやすい金属です。そのため高品質を歌った純プラチナ製品は現在ではほとんどありません。
ゴールドの種類と特徴
ゴールドは古くから人々に装飾品として用いられた歴史のある金属です。装飾品だけではなく硬貨などにも使用され西洋では「金貨」、日本では「小判」としてゴールドを使用していました。
純金は酸化や腐食が無く金属アレルギーが起こりにくいため、歯の詰め物としても使われることもあり、身に着ける宝飾品には適した金属になります。
美しい黄金色は人々を魅了し指輪や王冠などに使用され貴族の証としてもこぞって使用されていました。結婚指輪や婚約指輪には日本ではなじみがありませんでしたが、西洋では一般的にブライダルに使用されていた歴史があり、昨今の日本でも西洋風のアンティーク調のデザインがお洒落となり流行しています。
ゴールドの表記は「K」を使用しカラット(karat)を略したアルファベットで表記されています。
ゴールドの表記「K」では、K24が100%の純金となります。なぜ24分率になっているのかというと諸説ありますが、ゴールドはエジプトで発見されたとされ、古代エジプト人が1日を24時間とした24進法が使われていた名残で100%=24となったという説と、もう一つは「イナゴ豆説」と言う説があり、古代ギリシャでイナゴ豆1粒の重さがほぼ均一なため分銅として使われ、ゴールドがイナゴ豆24粒分を基準に取引されていたからという説もあります。
いずれにしても現在でもゴールドはK24=純金として扱われています。
100%ゴールド(純金)=K24なので、50%がゴールドの場合は、K12という事になります。
日本で一番多く使用されているゴールド合金はK18ですが、この場合は75%がゴールド(金)で残りの25%が他の金属となります。ゴールドもプラチナ同様柔らかく伸びやすい金属のため、そのままでは宝飾品として向かず、日本では割金を加えて硬さを出したK18ゴールド合金を宝飾品に使用するのが一般的です。
ゴールドの割金は混ぜても黄金色が保たれるように銀や銅を使用することが多いですが、この割金の比率や他の金属を混ぜることで様々な色合いのゴールド合金を作ることが出来ます。
2023年現在ゴールドの相場が高騰しておりかなり高価なものになっており、K14、K10といったゴールドの含有率の少ないジュエリー製品も多くなっています。ブライダルに使用されるゴールド合金は品質の良いK18ゴールドが多く使用されていますので、ここではK18ゴールド合金についてそれぞれの特徴を説明します。
K18イエローゴールド
結婚指輪や婚約指輪以外のジュエリー製品でも一番多く使用されているゴールド合金です。割金には銀と銅を混ぜますが、この銀と銅の比率を銀6:銅4としたものがイエローゴールドとして広く使用されています。20年以上前の日本では銀と銅の比率が逆で銀4:銅6の「四分六」というゴールドを使うことが多かったようですが、少し茶色みがかった黄金色だったため現在では比率が逆の銀6:銅4のゴールド合金が広く知れ渡って使用されています。黄色みが少なく明るい黄金色なので、派手さが少し抑えられたゴールド色になっています。
K18ピンクゴールド
イエローゴールドに比べて赤みの強いゴールドです。
割金の銅を多くすると赤い色が強くなりますが、ピンク色にするため製造メーカーによって調合は様々で、パラジウムを少し混ぜてピンク色の色目にしたものをピンクゴールドと呼びます。調合の比率によって色目が変わるので決まった比率は無いと言えます。
イエローゴールドに比べて日本人の肌色に近い色合いなので派手さはなく、デザインによって可愛らしい印象を与えます。S字型などは可愛らしい印象が強くなるので男性のデザインの場合はアンティーク調にするかストレートなシンプルなデザインの方が良く似合います。
K18ホワイトゴールド
10年以上前はプラチナのほうがゴールドよりもかなり高価だったため、プラチナの代用金属として当時安価だったゴールドにパラジウムや銀、銅などを混ぜて白色にしたのがホワイトゴールドです。ゴールドに一定量のパラジウムを混ぜていくと黄金色が白色に変化してきます。ホワイトと言っても完全な白色ではなく割金によって色が違いますが、クリーム色だったりとかグレーがかった白色だったりします。
完全な白色では無かったためロジウムメッキをかけて美しい白色に見せていましたが、メッキなのでいずれはメッキが剥がれ、中の地金の色が出てきて汚くなってしまうというデメリットがあります。
あくまでも高価なプラチナの代用品として結婚指輪などに使われていましたが、現在の貴金属相場はプラチナよりもゴールドやパラジウムの方が高価になっており、結局プラチナを使って指輪にしたほうが安く出来るようになったため、ホワイトゴールドの需要が減り、結婚指輪にもあまり使われることが無くなりました。
K18ブラックゴールド
ゴールドにパラジウムを加えると白色に変化しますが、パラジウムの量を増やして銀や鉄などを少量加えると黒みを帯びたグレー色になります。こちらも完全に黒色ではなく実際はグレーの色合いですが、ブラックゴールドと名前が付けられています。製造メーカーによって割金の成分が違うためお店によってグレーの色合いも違います。ホワイトゴールドと比べてパラジウムを多く含むため少し黒みを帯びた感じになりますが、ほとんどホワイトゴールドと変わらない色合いのものもあります。
パラジウムを多く含むと値段が高くなるので、ネーミングの「ブラック」に惹かれるだけであれば、高価なブラックゴールドをわざわざ選ぶよりもプラチナの方が良いでしょう。
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